quinta-feira, 5 de novembro de 2009

12.人間の知能

 猿に自転車の練習をさすと、乗れるようになり、インコは人語を真似ますが、物を考えだし、創作する能力が低いばかりに、人間のように文化生活が進みません。
 人間と猿との知能が反対であったなれば、人間の生活力は猿より劣り、食は作らず、寒さに弱くて、棲息地帯は狭くなり、子は自活する迄に年数がかかり、樹上にも泊られず、逃げ足遅く、爪牙も持たずに、獅子・狼に絶滅されていたでしょう。
 水に入れば、魚や蛙にも劣り、蝗程も跳べない人間が、潜水しつつ、洋上・空中さえも、食べ乍ら、読み乍ら、寝ながら移動が出来るのは、他の動物と、知能の働きのみが異う結果に外ならないもので、将来には、月や星の世界へも行きかねないでしょう。
 肉体労働なれば、何時迄も稼がねばならないでしょうが、頭脳は何を考え出すか、唯一人の、一回だけの考案が、永久に万人に役立ち、何れは、衣食住用物資は殆ど稼がなくても、自由に得られるでしょうし、疾病から身体を護り、長寿を全うするようになりましょう。
 私は感謝のない生き方で、感謝したり、感謝されたりしようと思いませんが、生きている事に感謝している人には、朝から晩まで寝ている間も、先人に感謝の連続でしょう。衣服・住家・踏むコンクリートにも感謝し、食物・容器に感謝し、水を汲み上げ、マッチから火を出すことを教えた人に、物に感謝し、本の紙・字を考案し郵便制度を考え、電灯・ラジオを、それからその元の元を考案した人に、見るもの触れるもの皆感謝であり、誰か見た事もない人に知能に感謝することです。
 世の真実を悟り教えた人に、豆腐・こんにゃくの考案者にも、私の永年の弱腸を快調にした陀羅尼助薬を創り出した人にも、一粒毎に多謝多謝でしょう。
 謝意の如何にかかわらず、力の百年は人知の一瞬に及ばず、一人の一回の頭脳の働きは、百万年幾百万億人に幸福を齎し、連鎖関連的に永遠に消えないでしょう。
 これ程輝かしい実績を遺し、立派な希望さえも期待される実現力を持つ知能を具え乍ら、心理的方面の解決が甚だしく遅れ、且つ社会構成の真髄を掴み得ないで、人間社会に紛争が断たれず、不幸から脱却出来ないとは、省みて辱しい限りです。
 私は人間の持つ知能は、必ずやこれ位の事は容易に解決し得るものであることを、堅く信ずるものであります。
 これには必ずその原因が介在し、これを除去することは、神仏等他に絶対者があるとしても、それ等に何事もなし得るものでなく、人間を幸せにするものは人間であり、その知能であることに間違いなしと断定しております。
 この事が判り乍ら、何時迄も苦悩を続けていないで、今こそ、直ちに持てる知能を働かせて、真実の社会にしなければならぬ秋でしょう。

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