quinta-feira, 5 de novembro de 2009

2.乏しき日本

 今地球上にある人の数は、あなたとを含めて、概算28億だとか云われています。多いと云えば云えますし、又そればかりかとも一口に云えます。
 実際人跡未踏の地があり、未開発の豊庫は地下に地上に眠っています。地表の三分の二には、酸水化合物を主として、幾多の元素が含まれ、その底にも豊富な資源が層をなし、地上何千米にも、衣食住生存必需元素が、混合・化合体で充満して居ります。
 今強いて果たし合いしたり、イケズ(意地悪)しなくても、物が無くなったり、こればかりの人間が住む土地が狭くて、困るような事もないでしょうに、又はるか彼方には、未だ当分燃え続けるであろう太陽が いていますし、太陽が消滅した時は一連托生、一寸位肥え蓄えていた処で、所詮は他よりも長命出来るのも時間の問題ですから、そうした啀み合いをしている暇に、星の世界へ移り住む協同計画や、太陽無しで生きられる方法の相談を、みんなでやればどうかと思います。
 唯今地球では、自由自由と云い乍ら、狭い囲いに沢山の人を押し込めて置いて、自分はその囲いの中へ自由に出入りし、思いのままの事をし乍ら、自分の方へは他を寄せつけない変な自由が横行しています。こんな囲いは、双方が相寄ってなくする相談をした方がよいでしょう。
 唯今、日本と名付けられた土地には、内外から造られた厳重な囲いがあります。そこには、何時から渡り棲んだものか、多数の
人間が生き残って居ります。こう云うものを国と呼んでいますが、この国の地下にも、どんな貴重な資源が無尽蔵的に埋まっているか判りませんが、現在その土地にいる人々が使用し得る資産を、土地を含めて見積って、一人当りに按分して見ると、世界中のどの国の人達よりも低いのではないでしょうか。最低位でないか解りませんが、高い人とは莫大な差異があります。ボルネオ辺りの住民等も、太陽光熱を含めた天然資源は、実に豊富に使用出来ると思います。
 日本なる囲いから出られぬ人は、物の使用の面で甚だ貧乏です。その年間消費する主要食糧さえも絶対不足し、衣料材・工業原資材も輸入に俟たねばなりません。賠償・負債は莫大なる額に上り、世界の海運・商権市場・投資関係も不利な立場にあり、天災亦恒例の如く襲来し、今のままで行くなれば益々貧乏国となり、他国との貧富の差は、愈々甚だしくなりましょう。
 併し誰を恨みようなく、誰が悪いのでもなく、よし悪い人があっても、今更云い合っても仕方なく、真相を知らずに、時の勢いの趣くままに如何ともなし得ず、反対し乍らも、戦争をどんなに
嫌っても、押し流されての結果でしょう。
 天皇さんでさえも、留めることが出来なかったとか。併しマア好戦大元師陛下であって、朕に続けと自爆されていたら、日本人は一人残らずになっていたかも知れなかったが、幸か不幸か、未だ溢れる程の人群で、人的資源だけは相当なものです。
 双方が流した血で、再び戦争してはいけないと書かれているのに、世界対立は頭上で火花を散らし、好ましからぬものを落されるや図られず、と云って国外へ逃げ出す権利さえ無い乏しさです。
 たまたま私が、こういう立場にいるからの僻みのみで云うのではありませんが、今のような形の国境は、無い方がほんとうだと思います。
 私はかように間違いであると信ずる国境制を、是正するためにも、この革命を提案する訳ですし、この革命が成就すれば、今の国境の必要はなくなり、一つの画線程度になることは、前にも述べて居ります。
 根本的原則は、個人の政治的・経済的及び居住地等、其の他凡てに機会を均等にするにあります。即ち居住地は個人の自由意志により、何地にも移動出来ることとし、世界政治を、世界人の総意によって行なうにあります。
 以上のような制度に改正するには、一方的希望のみでは成り立つものでなく、全世界の研究機会を設けて、慎重に討議することで、自他を離れて真理を究明し、双方理解の下に正当なる理論を見付け出して、実行に移すもので、私は遠からずこれが実現することを信じて疑わないものですが、それが実行される迄に、整理して置かねばならないものが有ります。囲いが取り払われた時の日本人の質の問題と、法制のみで築いた社会機構の欠陥を挙げねばなりません。

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